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京都の現状

No.16    (京都建設ラッシュ)    2022/4/23

コロナ禍にもかかわらず京都では建設ラッシュが起きています。それにつられて不動産市場も高騰しています。「京都では投資が投資を呼ぶ好循環が起きて、景観規制や別荘税といった政策はむしろプラス材料になっている」と言われています。
コロナ禍でも続く高級ホテルの開業は国内外の富裕層を惹き付けているというのです。@京都のブランド力、A世界的な金余り、B外資系最高級ホテルの開業ラッシュの三重奏により投資が投資を呼ぶ好循環が生まれているのです。
京都は千年の都として「国際観光文化都市」に指定され、四季を通じて内外からの多くの観光客が訪れます。しかし、コロナ禍でインバウンドはゼロです。それにもかかわらずラグジュアリーブランドホテルが相次いで開業しています。
今年3月末の京都市内の旅館、ホテル数は679軒で、前年比23軒増加しています。コロナ禍にあっても6年連続増加で推移しています。
江戸時代から残る京都町屋を再構築した、全29室のスモールラグジュアリーホテル「ザひらまつ京都」、三井不動産は自社ブランド初の最高級ホテル「HOTEL THE MITSUI KYOTO」、二条城近くには、客室161室、最上級の「プレジデンシャルスイート」は一人一泊130万円です。帝国ホテルは祇園にある国登録有形文化財の弥栄会館を改修した高級ホテルを2026年春に開業します。約60室で総事業費は110億円です。


No.15    (京都市の赤字財政)    2021/8/30

8月4日京都市は11年ぶりの赤字決算を発表しました。11年ぶりの赤字ということですが、実は今までの10年間は本当は黒字ではなかったのです。
これまでごまかしてきた実態を公表し、問題を共有したということです。
赤字は3億円になっていますが、実際は172億円の赤字なのです。赤字が黒字になるカラクリは特別の財源対策にあり、行政は借り入れや基金の取り崩しなど全てを収入に計上できるのです。しかし、これらの手法は全国的に見てもほとんど使われることのない禁断手法です。
バスと地下鉄の赤字はコロナ禍による乗客減少と言いますが、京都市の赤字は構造的な赤字というのが本当のところです。
全職員対象の給与カット(最大6%)や職員数削減(550人)、事業や補助金の見直し、土地売却などの改良案が提示されていますが、京都市の特性もハンデになっています。
学生が多く、納税義務者の割合は43.1%と政令市では最も低いのです。また、非課税の寺社が多く、主要税源の固定資産税の市民一人当たりの税収は政令市より約3000円低いのです。
借金増大の最大の原因は、1997年に開業した市営地下鉄東西線にあると思います。
工費が高騰したバブル期に建設を続け事業費が当初の1.4倍に増加しました。利用客収入は当初見込んだ1日18万4000人に一度も達したことはありません。営業収入だけでは収支が成り立たず2004〜2017年度に967億円を一般会計から補填しました。
京都市の人口は2010年146万人、2015年144万人、2020年142万人、将来予測として2025年138万人、2035年129万人と確実に減少しています。これは京都市の活力が年々減少している何よりもの証でドーナツ化現象で年々小学生の数も減少し続けているのです。今歯止めをかけないと財政破綻都市にまっしぐらです。


No.14    (ホテルラッシュ&フードデリバリー)    2021/2/15

約140万人の人口を有する京都市、京都に空き家が多いのは、実家などから相続した戸建てに継いだ人が住まない、また、「京町屋」の住みづらさが原因になっています。
日本有数の観光都市京都は日本有数の優良投資エリアで、富裕層は京都に投資用マンションを買うのです。また、今年も客室が100室前後のホテル建設が目白押しです。観光客が消えた京都でいまだ建設ラッシュは衰える気配がありません。
一般的にホテルのプロジェクトのスタートから開業まで2〜3年を要しますので、インバウンドありきという見込みでスタートしたものもあります。コロナショックだからといっておいそれと中止できないのです。
2016年に2000万人、2018年に3000万人を越え2020年の東京オリンピックとしてのメルマークと捉えた旅に携わる事業者が一丸となってホテル建設に走ったのです。
これだけ多くのホテルができたらコロナが終息して観光客が元に戻っても、宿泊料金の競争、交通の停滞などが予想されます。
また、最近はウーバイーツ、menuなどのフードデリバリーサービスが増えバイクや自転車の配達人の姿をよく見かけます。確かにコロナ禍の中需要が急増した感があります。配達人の交通ルールの欠如からくる交通事故も増えています。
また、デリバリーという性質上、プラスチック容器やビニール袋を使用するケースが多く昨今のプラスチック削減の流れには逆行します。
京都に限らずこのコロナ禍の中で変貌する仕事があるようです。


No.13    (京都のコロナ対策)    2020/12/10

12/9関西の新型コロナウィルス感染者数は大阪427人、兵庫158人、京都75人、奈良33人、和歌山12人、滋賀10人となり、京都の75人は過去最多となりました。大阪の重傷者は12/9時点で過去最大の146人(重症病棟の使用率は70.9%)となり、すぐに患者を受け入れられる重症病棟の運用率は83%となっています。
全国的に新型コロナウィルスの感染拡大が加速している中、京都の感染者数が他と比べると少ないと言われています。その理由として、1つには繁華街の違い、大阪のキタやミナミ、東京の歌舞伎町、札幌のススキノに比べると京都の繁華街は店舗の集中や規模が小さいことです。
紅葉シーズンで賑わった観光地には感染予防のため地元住民が避けたと推測されています。また、感染者をキャッチするPCR検査の数が11/25〜12/1の1週間平均で1日あたり京都は641件、大阪は4257件、兵庫は1460件でした。
人口の違いを加味して比較すると、京都の検査数は感染拡大が著しい大阪に比べて1/2の割合です。
対策に当たっている担当者は「保健所の積極的疫学調査で感染者の囲い込みが出来ており、2次感染、3次感染が抑えられている」と言っています。京都大や府立医科大などの感染症専門医らによるサポートチームの役割も重要で感染者が確認された医療、福祉施設に派遣され、感染が広がらないように決め細やかな指導がなされています。


No.12    (京都が1位に)    2020/10/16

米国の大手旅行誌「コンデ・ナスト・トラベラー」が発表した今年の世界人気都市ランキングで京都が1位に選ばれました。この雑誌は米国の高所得者層を中心に100万部発行され、世界で最も影響力のある雑誌と言われています。
2位がリヨン(フランス)、3位がシンガポールです。
ただ、今は新型コロナの影響でインバウンド(訪日外国人)が激減し7月に京都市内の主なホテルに泊まった外国人は前年同月比99.8%減になっています。
門川市長は「安心・安全が確保される新しい観光スタイル」の推進に力を尽くすとコメントしています。「新しい観光スタイル」とはどんなものでしょうか。
京都観光推進協議会のガイドラインには一般的なウィズコロナ対策しか書かれていません。京都市観光協会の事業展開のロードマップには1年後には新型コロナの影響が出る前を上回る水準(日本人の観光客の宿泊者が月に25万人、外国人観光客の宿泊者が月に20万人)に設定しています。
世界一の観光都市、京都が本当にそれでいいのでしょうか。


No.11    (祇園と観光地)    2020/7/29

東京の人口が1300万人としてcovid-19の1日の感染者を130人とすると10万人に1人の感染者数です。亀岡市や福知山市に1人の割合です。
この数を多いとみるか少ないとみるかは個人の見解で違いがありますが、因みに年間、癌で亡くなる人は37万人、インフルエンザで亡くなるのは1万人です。現在 covid-19で亡くなった人は1000人に満たない数です。
先日、友人と祇園に飲みに行きましたが、見かけ上のアルコール消毒、マイクカバーは付いていましたが、ホステスさんはベタ付きでマスクもしていませんでした。
いくら行政がソーシャルデイスタンスと叫んでみても、マスクを着けたり、距離を保っていては商売にはならないのです。京都の観光地にも少しずつ観光客が戻って来ています。
国の政策として「go to キャンペーン」を推奨していますが、観光族の利権構造によるアクセル噴かしは片方でブレーキをかけながらの発進ですが、うまいこと進んでくれるのでしょうか。どこかでスピンを起こして身動きがとれない状態になってしまうのではと懸念されます。


No.10    (京都の観光)    2020/5/15

5/7(木)13:30の祇園「一力」前の写真を掲載しましたが、この通りでした。
例年でしたら国内外の観光客で溢れ、特にインバウンド観光客が9割を占めていたのですが、一人も見当たりませんでした。こんな状況ですから、アウトバウンド客も寂しい限りかと思います。京都だけの事ではないのでしょうが「観光京都」を提唱する京都市観光協会のデータでは(2020年3月)、宿泊者−89.5%です。
4月だけで1000万の売上げをあげていた宿泊施設も今年は、ほぼ0というところもあります。スタッフ全員が休み、役員のみで対応しているところもあります。
京都の簡易宿泊事業者の7割が休業しています。祇園も嵐山にも観光客の姿が見当たりません。
顧客比率の95%が海外、日本人が5%の観光客というのでは今後の京都の観光が思いやられます。
コロナの収束には少なくとも1年間の時を要します。収束しても元どおりの状態にはなりません。人間も、環境も強制的に何かしらの変化を受けることになります。
中国、韓国人を相手にしていた着物のレンタル会社は潰れました。中国人観光客の宿泊ホテルも潰れました。
京都にしかない観光、日本人が訪ねたくなる観光、食事にも工夫がいるでしょう。
観光の多様性がみられる昨今、京都はどのような一手を打ってくるのでしょうか。
アメリカの大手旅行雑誌「トラベル+レジャー」の読者投票による「人気観光都市ランキング」で2年連続1位の京都ですから、きっと1年後にはV字回復しているでしょう。


No.9 (京都の河川) 2020/2/13

京北、美山に降った雨は由良川を下り、由良港(日本海)へ、安曇川を下り、新堀漁港(琵琶湖)へ、また、大堰川、保津川、桂川と名を変えて大阪湾(太平洋)へと流れ下ります。今回は、2013年9月の台風18号で大暴れした桂川を散策しました。
2月13日だというのに気温が20゜Cの桂川には人間が造成した中洲に48羽の鷺たちが日向ぼっこをしていました。岸辺には数羽の真鴨が寛いでいる側で背黒鶺鴒が忙しく動き回っていました。
西大橋から見ると、1機のパワーショベルが河岸の小石を河川の流れの方向に沈めていました。また、上野橋下流域でも何か訳の分からない工事がなされています。 一級河川の桂川は国土交通省の管轄です。長年見てきましたが、すばやい対応がなく、孫受け、曾孫受けの業者が細々やっているように見えます。
鷺たちが言います、「人間は何をやっているんだろうね?」。ハート形の中洲にいるサギ達には関係のないことですが。


No.8    (オーバーツーリズム)    2020/2/8

武漢(ウーハン)に端を発した、新型コロナウィルスは、京都の観光地や寺社などにも影響を及ぼしています。二寧坂の写真は2月1日8時に撮影、嵐山の竹林の道は1月31日13時に撮影されたもので人影が見当たりません。
中国では団体観光の出国が禁止され、観光客が激減しています。清水寺参道の店では、古都税で拝観停止になった時よりも観光客が少なくなったと言っています。
あるバス会社では車の稼働がなく、20%の給与カット、退職者を募る事態になっています。インバウンドの激減によってホテル業界も多くのキャンセルを抱え大変です。かっては地元の人相手で「京都の台所」と呼ばれてきた錦市場は外国人に席巻されていましたが、今はひっそりしています。
インバウンドに潜む「オーバーツーリズム」は京都のキャパシティが限界に来ていることを示していましたが、また新な問題が提示されたみたいです。


No.7    (ホテル建設ラッシュ)    2019/10/23

京都は2018年末のホテル数が27000件だったのに 対して2021年の予想では40000件となり51%の増加 率となり、増加率は大阪、東京を抜いてダントツで す。
京都では客室数100室以下の高級ホテルや個性的なブティックホテルが増加する傾向にあります。
京都駅八条口には既存のホテル京阪、ホテルエルシェント、京阪ホテルグランデ、相鉄フレッサイン、 ホテルIMAGINE京都、ダイワロイネット、ザガーネット、ヴィアイン、ホテルヴォスキオの他に、 新に、西山王町ホテル、M Hotel Kyoto、etc.のホテルがオープンします。
また、祇園の弥栄会館は帝国ホテルに生まれ変わり ます。
京都のホテルランキングは、ホテルカンラ京都、ザ・リッツカールトン京都、フォーシーズンズ ホテル京都の順です。
国内外から年間5500万人もの観光客が訪れる京都は宿泊施設の出店ラッシュが止まりません。


No.6    (京都観光の現状と課題)    2019/8/28

昨年度の京都における外国人観光客数は661万人で、京都 府の人口の約3倍です。
市内の年間観光消費額は1兆円を超 え京都の消費を牽引しています。
東山の町並みもすっかり変わり、外国人が増え過ぎ日本人 が遠ざかるようになってしまいました。
ホテルや簡易宿泊 所などが乱立し、「お宿バブル」が地価高騰を招き、不動 産業者による「地上げ」も発生しています。
宿泊施設に転 用された長屋は経営者が分かりにくく、キャリーバッグを 引っ張った外国人が早朝、深夜も出入りします。
観光公害は「オーバーツーリズム」とも呼ばれ世界共通の 課題です。
スペインのバルセロナ市では市長選でホテル建設凍結を訴えた市長が当選しました。
都市計画を研究している龍谷大学の阿部大輔教授は「京都 市も都市政策を統合した新な観光戦略が必要」と言ってい ます。
国際観光都市、京都はどんな都市に変貌していくの でしょうか。


No.5    (現在の二条城は……)    2019/7/21

二条城は慶長8年(1603年)徳川家康が京都御所の守護と将軍上洛時の宿泊所として築城しました。
慶応3年(1867年)には「大政奉還」がこの地で行われました。
二条城の外堀の四隅は見張台として隅櫓が 建てられ武器庫となっていましたが、天明8年(1788年)の大火で焼失し、今は東南の隅櫓と西南の隅櫓のみが残っています。
二の丸御殿の正門に建つ唐門は重文、二の丸御殿は国宝になっています。
平成6年(1994年)にはユネスコの世界文化遺産として登録されました。
今年の二条城の夏季ライトアップは8/1~15です。
「京の七夕」と連携し、旧暦の七夕にあた8月にライトアップで浮かび上がる幽玄の庭園を楽しめ、プロジェクションマッピングも実施されます。(19:00~21:30迄)


No.4    (京都鉄道博物館)    2019/5/23

2014年に閉館した交通科学博物館の収蔵物の一部と、2015年に閉館した梅小路蒸気機関車館の収蔵物を展示し、2016年4月29日にグランドオープンしました。
JR 東日本の鉄道博物館(さいたま市)やJR 東海のリニア鉄道館(名古屋市)を上回る、日本最大の鉄道博物館です。
エントランスホールから入館すると、0系新幹線21型、長大編成電車(クハ86型)、SL (C6226)が迎えてくれます。
本館一階では鉄道の歩みと鉄道の仕組みを展示しています。
二階には体験型の展示が目白押しで、「運転シミュレーター」で運転が体感出来ます。
また、実物車輌の1/80スケールの「鉄道ジオラマ」は迫力満点です。
三階はスカイテラスで、東寺の五重塔や遠くには伏見桃山城も見え、比叡山も遠望出来ます。
屋外ではSL (C61型2号機)が「転車台」で回転するのが見られます。


No.3    (観光客のマナー)    2019/4/12

京都では昨年、外国人の観光客が661万人を超えました。
京都府の人口の約3倍です。外国人の観光客が京都に集中し、「観光公害」が発生しています。
自国の生活習慣の違いからか民家の前にゴミを捨てる人が見かけられます。
トイレの使い方がわからないのか、破壊されることもあります。
また、京都市バス激込みの中、大きい旅行カバンを引きずって持ち歩く人も見受けられます。
市バス、京都バスの1日乗車カードが500円から600円に値上げされましたが、このままだと更に値上がりしそうです。
国民性の違いから下記のようなトラブルもあります。
ホテルの備品を持ち帰る。
商品の包みを勝手に開封する。 また、舞妓さん達はかんざしを取られる、袂を引っ張られるなどの被害に遭っています。
無粋な看板を設置するしかないのでしょうか。


No.2    (京都の産業)    2019/2/22

農業の分野では古くから京都で作られる京の伝統野菜、そして宇治茶などは京都を代表する農産物です。
京都の面積の74%は森林で、森林から採れる丹波栗、松茸は有名です。
木の皮を剥ぎ艶のある表面に仕上げる北山丸太は特に有名です。
若狭湾から丹後半島の近海では、ズワイガニ、ぐじ、アジ、サワラ、ブリetc. の魚が漁れます。
商工業の分野では日本を代表するハイテク産業も発展し、売上高ランキング5社は京セラ、オムロン、島津製作所、GS ユアサ、日新電機です。
京セラの商品としては、スマートフォンはもとより、ファインセラミック部品、各種デバイス、セラミックパッケージ、光学部品、LED 照明etc. です。
オムロンは血圧計を始め、種々の医療機器、電子部品etc. を製作しています。
また、島津製作所は分析・計測機器、デジタルX線システム等の医用機器、半導体の製造装置、軍事航空分野などで使用されるヘッドアップディスプレイの国内シェアは1位です。


No.1     (変貌する京都)    2019/2/14

京都の人口は、平成31年1月1日現在で、259万658人で、前月に比べ、1240人の減少となりました。
桓武天皇が都を築いてから、1225年になります。 西陣織で隆盛を極めていた店舗も軒並みマンションに変わり、近年の海外からの観光客に対応するために、小規模のホテルが乱立しています。
2018年2月に行われた「Wanderlust Travel Awards 」において、京都がベストシテイ部門で2年連続1位に選出されました。
祇園には観光客が溢れ、嵐山、伏見稲荷大社にも押し寄せる昨今です。
日本人の観光客が肩身の狭い思いをしています。
この状況がいつまで続くのでしょうか。
京都には世界に知られた、京セラ、オムロン、ローム、島津、任天堂etc. の会社があり躍進を遂げています。
KRP (京都リサーチパーク)や梅小路公園の一帯が開発され、新しい駅(梅小路京都西)も完成に近づいています。
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